交流電源につながれたコイルの中に、金属等の被加熱物を挿入すると、被加熱物は、コイルとは非接触のまま表面から加熱されていきます。
高周波焼入れは、この誘導加熱を利用した熱処理です。
他の熱処理が、対流、伝導、輻射という、外からの熱の移動を利用するのに対し、高周波熱処理では、被加熱物が自己発熱することが特徴です。
誘導加熱において被加熱物のどの部分が加熱されるかは、どの部分に電流が流れるかで決まります。
それをいかに効率よく、被加熱物に伝えるかは、形状、焼入れ範囲、焼入れ方法や冷却方法などを考慮して、どんな加熱用コイルを選択するかで決まります。
加熱コイルとは、ノウハウが詰まった高周波熱処理の要ともいえます。